8 はっぴー

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8 はっぴー

ある日、ネコさんは、マスターのユキヒョウさんに呼ばれたのです。 「ネコさん、あなたのニットは素敵だね。見ているとハッピーになるよ」 ネコさんのほっぺがぼおっと燃えました。 「マスター、編物店に行かれたのですか?」 「うん、ちょっと噂を聞きつけてね。  あんまり素敵だったから、うちの奥さんへのプレゼントに、ニットのネックレスを一ついただいたよ」 「まあ、ありがとうございます!」 「あなたが最近イキイキして、ますます美猫になったワケがわかりました」 ダンディなユキヒョウマスターの言葉に、ネコさんのほっぺはますます燃えて、こげそうです。 「あなたのセンスを見込んで、お願いがあるんだけど」 「何ですか」 「今年の店内のクリスマスディスプレイ、やってくれないかな」 「ええっ?」 「もちろん、私も他のスタッフも手伝うから。アイディアを出してみて。  ネコさんのニットのように、ハッピーなのがいいな」 ネコさんは目がうるうるして唇も震えましたが、ようやく答えました。 「はい!ぜひ、やらせてください」   ネコさんの毎日は、きらきらしています。
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