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4 からふる
フクロウ店長は言いました。
「いいえ、ネコさん。断言しますが、あなたには、根気はともかく、センスはあります。あなたのお洋服やアクセサリー、持ち物を見たらわかります。それになんたって、私の一番の自信作を買ってくださったんですもの」
フクロウ店長は、ちょっと考えました。
「ネコさん、カギ針編みをやってごらん」
「カギ針編み?」
カギ針編みは、先端にカギ爪がついた一本の棒を使って編むのです。小さなモチーフを編むのに適しています。フクロウ店長は、カギ針編みの本を出してきて、次々ページを開いて見せてくれました。
「うわあ、かわいい~~」
ネコさんは瞳をまん丸くして、食い入るようにカギ針編みの作品たちを見つめました。
「私には棒針が合っているけれど、ネコさんにはかぎ針が合っているかもしれないわ。
かぎ針で、小さなモチーフを編んでごらん。
一つ一つはすぐできますよ。
一つ一ついろんな編み方をしていいのよ。
一つ一つ色を変えても大丈夫」
「うわ~、楽しい~~」
ネコさんは夢中になって、色んな色の色んな大きさの色んな形のお花のモチーフを編みました。
ネコさんは、フクロウ店長がお客様のお相手をしている間にも、自分で本を読んで新しい編み方をどんどんマスターしていきました。
しばらくして見に来たフクロウ店長は、またびっくり仰天。
「ネコさん、すごい!こんなに短い間にこんなに色んなお花を編めるようになるなんて!!しかもどれもきれいにできてるわ~」
ネコさんは大喜びで、カギ針編みの本を3冊と、安くしてもらった半端な毛糸をごっそり買って、帰りました。
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