第1章

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「疲れた…もうイヤだ…」 机に突っ伏して、ついつい愚痴る僕。 時計は、午前2時を指している。 正面には、「絶対合格」の貼り紙が。 受験生にとって、12月は追い込みの大切な時期。 毎日、朝から晩まで勉強勉強。 「もっと別の事をエンジョイしたいーっ!」 溜まりに溜まった鬱憤が爆発して、思わず叫んだ僕。 その時、ちょうど夜食を持って入ってきた母が呆れた様にため息を吐いた。 「だったら、やめたら?」 「へっ?」 首を傾げる僕。 そんな僕に向かって、母は半眼になりながら、更に続ける。 「受験勉強。やりたくないなら、しなきゃいいのよ」 あっさりとそう言ってのける。 「後悔するのは貴方自身だけど」 そして、夜食を僕の隣に置くと、「元気つけなさい」と肩を叩いて部屋をあとにした。 「………やるよ。やりますよ」 今頑張らなきゃ、後々自分が困る事態になる事くらい、自分で分かっている。 「志望校に合格したら、目一杯遊び倒してやる…!」 夜食に手を伸ばしながら、密かに決意をした僕だった。
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