1人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
「疲れた…もうイヤだ…」
机に突っ伏して、ついつい愚痴る僕。
時計は、午前2時を指している。
正面には、「絶対合格」の貼り紙が。
受験生にとって、12月は追い込みの大切な時期。
毎日、朝から晩まで勉強勉強。
「もっと別の事をエンジョイしたいーっ!」
溜まりに溜まった鬱憤が爆発して、思わず叫んだ僕。
その時、ちょうど夜食を持って入ってきた母が呆れた様にため息を吐いた。
「だったら、やめたら?」
「へっ?」
首を傾げる僕。
そんな僕に向かって、母は半眼になりながら、更に続ける。
「受験勉強。やりたくないなら、しなきゃいいのよ」
あっさりとそう言ってのける。
「後悔するのは貴方自身だけど」
そして、夜食を僕の隣に置くと、「元気つけなさい」と肩を叩いて部屋をあとにした。
「………やるよ。やりますよ」
今頑張らなきゃ、後々自分が困る事態になる事くらい、自分で分かっている。
「志望校に合格したら、目一杯遊び倒してやる…!」
夜食に手を伸ばしながら、密かに決意をした僕だった。
最初のコメントを投稿しよう!