解けない呪いと少女の願い

6/8
前へ
/853ページ
次へ
「何の呪いですか?」 景壱が尋ねると楠野は少女に目をやりながら躊躇っていたが少し間を空けて答える。 「年を重ねられない呪いだ。成長もしないが老いもしない。その姿で、かれこれ五十年生きてるんだ」 「五十年……」 どう見ても七歳くらいにしか見えない。 「年を重ねられないっていうのは?」 「単なる不老じゃなくて、肉体や精神もチビのまま。それに不死でもない。病気になっても強い薬は使えないし、感情も子供と同じで不安定だ。知識だけは時間をかければ蓄えられる」 「何の為に誰が、そんな呪いをこの子に……」 呪いの主に対して怒りで景壱は震えていた。 「白蛇だ。親が白蛇を殺したから、呪いをかけられたんだ」
/853ページ

最初のコメントを投稿しよう!

617人が本棚に入れています
本棚に追加