都合と礼儀

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その後、何も無かった様に全てが戻っていたのだという。 ただ、健司が居なくなっていた数日の事は誰も覚えていなかった。 「とっかえ様が景壱さんの話を聞かなかったらどうするつもりだったんですか。無謀過ぎます」 景壱の家の居間で、そう言いながらリリーはサンタの帽子を被ってケーキを食べる。 「ごめん。でも、俺は最初からとっかえ様は優しい存在だって思っていたんだ。だって本気で人間を恨んでるならもっと沢山の人を巻き込むような大惨事を引き起こす事も出来たと思うからね」 景壱もサンタの服を着てフォークでケーキをつついている。
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