壊れる日常と一握りの希望

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「そうですか……。一瞬、強い妖気を感じた気がしたんですが気の所為だったみたいですね。景壱さんも風邪惹かない内に寝て下さいね」 眠そうに欠伸をしながらリリーはドアを締める。 ヨミの事を話さなかったのはリリーを巻き込みたくなかったからだ。 それだけ奪希と関わるのは危険だと景壱は思ったのである。 「俺が何とかしないとな」 景壱は覚悟を固め、玄関のドアに手を掛けた。 「……いち」 「け……いち」 徐々に覚醒していく頭に誰かの声が響いている。 「おっきろー、景壱!」 「うぐ!?」 琴葉の声と共に景壱の腹部に強い衝撃が伝わる。 顔だけ上げると琴葉が自分の腹の上で跳ねているのを見て景壱は事情を察した。
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