壊れる日常と一握りの希望

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「……うん。景壱やリリーちゃん達が遊んでくれるから。でも、やっぱり習志野が居ないのは淋しい……」 悲しそうな顔をして居たが、はっとした様な顔をして直ぐに琴葉は笑みを浮かべる。 「だから琴葉、笑うの。笑顔は楽しい事や幸せを呼ぶって習志野、言ってたから。淋しいけど習志野に戻って来て欲しいから……」 そう言いながら琴葉の顔は今にも泣き出しそうな顔に変わる。 無理をして笑っていたのだろう。習志野の言うことを信じ、彼の帰りを待ちながら……。 「大丈夫だよ。習志野さんは必ず戻って来るよ」 抱き付く琴葉の頭を撫でながら景壱は戻らぬ習志野の安否を案じていた。
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