617人が本棚に入れています
本棚に追加
道中で彼女は自分が山姫という妖怪である事、過ちを犯し暴れまわっていたが親切な人間に出会い助けられた事、自分の所為で徳善は倒れ、今の状態になってしまった事を話した。
習志野は、ただ、いつも通り笑顔でそれを聞いていた。
「このまま道沿い下って行けば人里に着くよ」
「ありがとう。何かお礼をさせてくれないか?」
「あはは、お礼なんて良いよ。したいからしただけだし」
「いや、それじゃあ私の気が済まない。そうだ、背中の彼に触れても構わないかい?」
山姫の返答を待たず、習志野は徳善に触れた。
すると、徳善はゆっくりと目蓋を開けた。
最初のコメントを投稿しよう!