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「徳善!! 分かる? 私だよ山姫だよ!!」
山姫は徳善の顔を除きこむ様にして見ると驚きと嬉しさの混じった顔をする。
徳善は声を出さずに頷くと山姫の顔を撫でる。
徳善の痩せ細った手が頬に触れた途端ぼろぼろと山姫は涙を流す。
だが、それだけだった。
徳善は、また眠るように目を閉じた。
「ふむ、この様子だと近い内に彼は目を覚ますよ」
「貴方はいったい……。徳善に何をしたの?」
山姫は習志野の襟を興奮した様に両手で掴む。
「私は妖怪の五感の内二つを奪う力が有る。でも、妖怪によっては五感の一部が元々、無いものや人よりひどく衰えている者もいる。私は、それを探れるんだ」
「それで? どうやって徳善を起こしたの?」
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