壊れる日常と一握りの希望

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「どうかしたんだい?」 習志野が近付こうとすると少女は叫んだ。 「逃げてー!! 奪希が貴方を狙っているの! だから早く! 駄目、もう、押さえられない……」 逃げる暇は無かった。 少女が全て言い終わる間に習志野の体を倒し、上から押さえつけたからだ。 少女だったものは少年に変わっていた。 「弱い癖に邪魔をするなよ」 吐き捨てる様に少年は言うと、習志野の上に馬乗りになった状態でまじまじと顔を眺める。 「合格。ちょうど良いくらいに空っぽだ。私は奪希。神という存在だ。その体をくれないかな? 嫌でも、もらうけど」 にたあと奪希は口角を上げ不気味に笑う。
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