壊れる日常と一握りの希望

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「子供は嫌いなんだ。下りないとお仕置きをするよ」 「出来るものならね」 奪希は見下す様に笑っている。 自由の効く右腕で奪希の腕に触れる。 「何だ、これは!?」 驚く奪希を突飛ばし、習志野は上着のポケットに銃が有るのを確認し、取り出す。 「神にも私の力は効くみたいで良かったよ。さあ、お仕置きだ」 そう言って習志野は銃を撃とうとしたが、撃てなかった。 何故か、引き金を引こうとすると琴葉の姿が頭に浮かぶからであった。 「お仕置きはやめておこう。但し、暫くはそのままだ」 奪希に背を向けると、習志野はそのまま歩いて行く。 「くそ! 体さえ弱っていなければ、こんなもの!! 今度会ったら、体をもらうぞ!!」
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