終わりと別れ

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天井からぶら下がるランプが怯えた表情の山神を照らす。 「嘘、だよね。あの部屋に俺を入れるって……。冗談だよね」 大きなため息を吐き、真宮は山神の胸ぐら掴む。 「約束を破っといて、よく言えるね。前に嘘吐きは嫌いだって言ったよね。その罰だよ」 「嘘なんか……」 目を泳がせながら話す山神の頬を真宮は叩く。 「知っているんだよ。君が昨日襲った少女が悪人じゃないって事や、君が習志野をちゃんと送って行かなかった事も全部ね」 狐の鋭い目付きで真宮は山神を睨み付ける。 「ごめん、もうしないから許して……」 「駄目だよ。それだと君は反省しないからね。さあ、早く来るんだ」
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