617人が本棚に入れています
本棚に追加
天井からぶら下がるランプが怯えた表情の山神を照らす。
「嘘、だよね。あの部屋に俺を入れるって……。冗談だよね」
大きなため息を吐き、真宮は山神の胸ぐら掴む。
「約束を破っといて、よく言えるね。前に嘘吐きは嫌いだって言ったよね。その罰だよ」
「嘘なんか……」
目を泳がせながら話す山神の頬を真宮は叩く。
「知っているんだよ。君が昨日襲った少女が悪人じゃないって事や、君が習志野をちゃんと送って行かなかった事も全部ね」
狐の鋭い目付きで真宮は山神を睨み付ける。
「ごめん、もうしないから許して……」
「駄目だよ。それだと君は反省しないからね。さあ、早く来るんだ」
最初のコメントを投稿しよう!