終わりと別れ

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「嫌だ、嫌だぁああ!!」 逃げようとする山神の腕を掴み、真宮は無理矢理引き摺って行く。 そして錆びの浮き出た扉の前で立ち止まり、鍵穴に鍵を差し込む。 「止めて、止めてよぅ。真宮さん、ちゃんと言う事を聞くから」 「君は、そう言って何度ボクの期待を裏切った? さあ、入るんだ」 抵抗する山神をいとも容易く、扉に放り込む。 「出して、出して!! お願い、真宮さぁああん!!!」 扉越しに山神の声が聞こえていたが徐々に小さくなっていく。 「誰が、何の為に作ったのだろう。この妖の力を奪う部屋を……。山神君は、さぞかし怖いだろうね。力が有るからこそ、失われた時に恐怖が生まれる。これで山神君も懲りるだろう」
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