終わりと別れ

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「ならば、その日が来るまで放って置いても良いのでは……」 「そう思うであろう? じゃが、神代わりの日には抜け道が有るのじゃ」 稲荷大明神様は重々しい口調で言うと奪希の映像を消す。 「抜け道? 裁きは免れない筈では……」 「裁きはな……。じゃが、裁きが来る前に別の者に自らの神の力を与える事は出来る……。ここまで言えば分かるであろう」 察した様にかたかた裁火は震えていたが、ゆっくりと答える。 「神代わりの日を過ぎてから力を与えた者の体を奪う。そうすれば、力を奪われずに済む……。そう言う事ですか?」 怯えた様な顔をする裁火に稲荷大明神様は何も言わずに頷く。
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