終わりと別れ

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その後は、どうなるか容易に想像出来たからである。 神代わりの日が近づき大人しくしていた奪希が今まで以上に力を奮い、惨劇が繰り返される未来が……。 「力を全て与えるのだから当然力を失い子供以上に無力になる。上手くいく可能性は零に近い……。それでも、奴なら成し遂げてしまうであろう。それだけは、有ってはならぬ。裁火、お主は景壱の元へ迎え。恐らく既に動いているであろう。そして、必ず奪希を止めるのじゃ」 「お待ち下さい。稲荷大明神様はどちらへ向かわれるのですか?」 裁火は自分の口から、何故、その様な言葉が出たか分からなかった。 そして言葉を発してから数秒後、自分が稲荷大明神様の事を心配しているのだと理解した。
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