終わりと別れ

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その頃、景壱はと言うと泣きつかれた琴葉をソファーで寝かせ、外へ出かけようとしていた。 話を聞きに楠野に会いに行こうと思ったのである。 「少し強引かもしれないけど、話を聞かないと前へ進めないよね」 自分に言い聞かせる様に呟くと玄関に向かう。 すると、リリーの叫び声が洗面所から聞こえる。 「きゃあああ! け、景壱さん!」 「どうしたんですか!」 履きかけた靴を慌てて脱ぎ、洗面所に向かうと白髪になったリリーがそこに居た。 よく見ると瞳も輝いている様である。 「どうして、こんな場所で力を使ってるんですか!?」 「違うんです。朝起きた時から、こうなってて。どうやっても戻れないんです!もう、どうしたら……」
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