終わりと別れ

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リリーは事態を飲み込めていないのか「え?」と短い言葉を漏らす。 「景壱、お前に話したかも知れないが琴葉を救うために動いてもらっている仲間がいるんだ。真宮と山神。素性どころか正確な性別まで分からない怪しい連中だったが、その力を目の当たりにして俺はすがってしまったんだ。すがって、しまったんだ……」 後悔しているのだろう。辛そうな顔をして楠野は繰り返す様に言う。 「真宮と山神! 確か昨日、景壱さんの友人を襲った妖怪じゃありませんでしたか?」 「何! あいつら、約束も守らないでそんな事まで」 「……俺の仲間や友人の妖怪のお陰でその子は無事でした。楠野さん、あんな危険な妖怪達に何をさせたんですか!?」
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