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景壱は躊躇いながら鼻血を流す楠野の頬を殴る。
「リリー、景壱。殴ってくれてありがとう。悪いものが抜けたみたいだ」
そう言う彼の瞳は、先程とは別人の様に生気に満ちて輝いていた。
「楠野さんは、これからどうします?」
「真宮達に会いに行く。そして、習志野を取り返しに行く。そうしないと琴葉が悲しむだろ? 」
「ですね。じゃあ、そっちは頼みますね。あ、恭治さん達も向かってると思うんで連絡して合流した方が良いかもしれません。俺達は琴葉ちゃんの呪いを解く為の準備をして来ます」
「何! 恭治さんも!!?こうしちゃいられない」
興奮した様子で楠野は部屋の奥に入る。
そして数分後、膨れたリュックを背負って現れた。
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