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「景壱、お帰りー!お客さん?」
景壱の後ろに居る裁火に気付き緊張したのか、琴葉は真顔になる。
「大丈夫、怖くないですよ。裁火さんは優しいお姉さんですから」
「か、可愛い。こっちにおいで」
裁火は笑みを浮かべ、琴葉に近付き頭を撫でようとする。
だが、次の瞬間、狐の姿に戻ってしまう。
「可愛い! 狐だ、狐。こん、こん、て鳴くんだよね」
「こん……」
「わあい。狐、家においでよ。美味しいご飯あげるから」
そう言って琴葉は裁火を抱き締める。
「琴葉ちゃん、私達は裁火さん……、その狐さんと話があるから。手を離してくれるかな?」
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