終わりと別れ

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「消滅?」 「呪いは、かけた本人をも蝕み喰らい尽くすんです。ですから、神になりそこなった白蛇程度なら五十年も存在し続けられる筈がないんです。恐らく、意思の無い呪いだけが残ってる状態でしょう」 裁火の言葉を聞いてリリーは、「えっ!」と短い言葉を漏らし暫くの間、動作を止めた。 恐らく、予期せぬ答えに混乱しているのだろう。 「じゃあ、景壱さんの言っていた方法は使えないんですか?」 「はい。でも、安心して下さい。私の浄化の炎が有れば体に負担をかけずに呪いを解ける筈です」 先程から口元に笑みを浮かべていたのは、その為かと景壱は思った。
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