終わりと別れ

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だが、景壱には、それが上手くいかない事は分かっていた。 ヨミに聞いた限り、奪希の力の所為で解ける筈の呪いが解けていないのだ。 なので恐らく、奪希以上の力が裁火になければ上手くいかないだろうと考えたのである。 「やめた方が良いと思いますよ。今は裁火さんの力が安定してないみたいですし」 「……何か起きてからでは取り返しが付きませんからね。すみません、お役に立てずに……」 それを聞いて景壱は安心していた。 下手に手を出すと奪希の力に飲まれてしまうのではないかと危惧していたからである。 「さっきから気になってたんですが景壱さん、何か変です」
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