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みなさんこんにちは。猫です。
誇り高き野良猫です。人間で言うところの今年で3歳になるメスでございます。
3年も生きているといろいろあるもので、これまでもたくさんの面白いことがありました。もちろん楽しいことばかりではありませんが、それも含めて私はこの1回きりしかない人生…いや、猫生を謳歌しております。
そんな私がこの3年間で理解した「この世の摂理」というものが2つあります。
それは「可愛いは正義」だということ。
そして私自身が人間から見て、その「可愛い」というカテゴリーに分類されるということです。
道を歩けば小さな子供や女子高生とかいう生き物からいつも黄色い声援を浴びます。そういう人たちは大抵何か食べ物をくれるので、野良猫をやっていて困ることは、おかげさまでほとんどございません。車と凶暴な犬にさえ注意を払っていればオールオッケーなのです。
私の友達で、不細工で有名な3丁目の猫さんなんか、私よりも2歳も年上なのですが人間の前に現れて滑稽な踊りを披露することでやっとこさ食べ物にありついているという有様です。このことからも先ほど述べた摂理は正しいと言えるでしょう。誇り高き野良猫が人前でそんなことをしてはならないのです。
私の仲間の中には、人間に飼われて「イエネコ」としてのんべんだらりと生活をしている猫もいますが、はっきり言ってそんなのはつまらないです。確かにイエネコは食べ物が保証されるという強みはありますが、あんな狭い世界に閉じこもっていては、せっかくこの世界の様々なところに転がっている「楽しみ」を味わい尽くすことはできません。だから、私は生涯野良猫を貫く所存でございます。
ということで、今日も悠々自適な野良猫ライフを満喫している私でございますが、最近新しい「楽しみ」を見つけました。
それが、人間の言うところの「恋愛」というやつです。2丁目の紳士猫さんが言うには、それは「猫で言うところの交尾と似ているが、ある意味では全く違う可愛くて素敵なもの」というものらしいです。
私は今「学校」という大きな箱があるところに住んでいます。
先日、私にたくさんの食べ物をくれる女子高生が、その学校にたくさん生息しているという情報を掴んだからです。
私がその恋愛というものを目の当たりにしたのは、その学校に初めて潜入した半年前のことでした。
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