第5章「ぬこ様、神様のトラウマを癒す」

6/8
前へ
/61ページ
次へ
「そうだな。話を続けるぞ。ある時、まだ夜中だと思っておったのに、鶏が鳴いてな、慌てて帰ったら、手元が狂って櫂(かい)を落としてしまってな」 櫂とはいわゆる舟をこぐための道具。 オールのことでございます。 「慌てて手でこいだら、サメに手を噛まれてしまった」 「にゃー」 「そう申すな。『悩みの前に神も猫もない』と申しておったから恥を忍んで言っておるのだ」 「にゃー」
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加