第1章「ぬこ様、サラリーマンを諭す」

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サラリーマンも同じようにそこを見つめ、大きく頷き、 「そうですね。大事なのは、事実を事実のまま受け入れるということ。嫁には思い切っていうことにします。でも、次の仕事が決まるかどうか……もういい歳ですから。はあ」 サラリーマンの悲痛な叫びを尻目に、びょいんとベンチから飛び降り、静かに振り返って見たぬこ様。 その目をサラリーマンは寂しそうに見つめるや否や、 「にゃー!」 「ありがとうございます! 頑張ります!」 サラリーマンは涙を流しながらぬこ様を見送ったそうでございます。
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