Sign of Love

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 もはやコクピット状態のL字デスクの椅子にかけ、PCを立ち上げる。 『R.Kaminaga:まきさん、少しだけ時間ありますか』オンラインになると、すぐに神長くんからメッセージが飛んできた。 『Smaki:どうしたの?』珍しい。そう思いながらレスを打つ。 『R.Kaminaga:まきさんの会社の現状の業務システムについて少し知りたいんですが』 『Smaki:え、まさか神長くんのとこに打診があった?』 『R.Kaminaga:今日電話で俺宛に問い合わせがあったみたいです。俺はまきさんが推してくれたのかと思ったんですが違うみたいですね。今通話、大丈夫ですか』  ちょっと面白そうな話になってきた。 『Smaki:OK』僕はすぐにヘッドセットをかぶった。 「すみません、こんな時間に」 「ううん、大丈夫。突然優月くんがうちに来んだけど、さっき寝ちゃったとこだし」 「……すみません」神長くんは溜め息混じりにもう一度繰り返した。 「それで、業務システムの話だけど。ちょっと僕もびっくりした。実は昨日色々相談されたばっかりだったんだよな。うちの会社ってさ、設立当初からかなり積極的にシステム関連に投資してきていたみたいなんだけど――」 「現状ほとんどのシステムが単独化しているから統合したい、ということですかね」なんでまだ触りすら話していないのに分かるんだ。と、驚くこともなくなった。これが神長くんなのだ。
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