おいら、トラ吉だにゃ。

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1、名前はトラ吉だにゃ  おいらの名前はトラ吉、栗原トラ吉にゃ。  一応の名前ってことにしくとくにゃ。  その理由はこれから話すにゃ。  歳はだいたい1歳くらいかにゃ。  猫なのに、なんで人間の言葉を話してるかってと、そんな難しいことおいらに訊かれてもわからないにゃぁ。多分、チビだった頃から人間と一緒に暮らしてるうちに覚えたのかもしれない。  トラ吉という名前は、栗原家のおっちゃんがつけてくれた。おいらの身体の毛の模様が薄茶の虎縞模様だったからだよ。だけど、おばちゃんはおいらを「クッキー」と呼びたかったみたいだ。 「クッキー?? 清子、おまえはトラ吉を食べるつもりかっ!」 「あなた、それ全然おもしろくないわ。トラ吉なんて名前ね、もう流行らないの。この子はクッキーちゃん」  とまあ、おっちゃん、おばちゃんの間では何やら喧々諤々だったにゃ。  と、そんなところへだにゃ、栗原家の家の裏側のマンションに住んでいる、栗原・姪っ子の桐子まで参戦してきたにゃ…。 「ねえ、この子は、ハニーにしようよ」  と提案したのが桐子にゃ。ちなみに、桐子は「年中ハロウィーンの魔女」ってのがニックネームみたいだにゃ。いろんな場所で、魔女やら占い師に間違われてるみたい。悪い奴でないのだにゃ、格好は少し変わってるんだにゃ。だから、彼氏もできにゃ…それは言っちゃダメみたいだにゃ。 「ハニー? それもいいわね、かわいいわ、蜂蜜ちゃんね」 「なんだな…どこぞのスナックのおねーちゃんについてそうな名前…」  と、ここでおっちゃんは、おばちゃんにしばかれてたわけだにゃ。  スナックってお菓子じゃないのかにゃ?
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