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 目に見えない速さで、何かが後ろに吉田をかっ攫っていった。  友名はゆっくりと首を回し、吉田が消えていった方を見る。  そこには大きなヤリに突き刺され、腹から大量の血を流し、壁に串刺しとなった吉田がいた。  口から血を吹き出し、助からないのは誰の目から見ても一目瞭然だった。 「いやあぁぁっ!」  誰かの叫び声をきっかけに、全員が蜘蛛の子を散らすように壁から離れた。  友名も壁から離れ、へっぴり腰になりながらも窓にかけよる。  突然の事態に混乱し、クラスメイトたちは逃げた先で泣き声や叫び声を上げた。  初めて見る大量の血と死んでいく人間の姿に、友名は吐き気がこみ上げる。  何でこんなことに。  誰もがそう思った。  教室に恐怖が渦巻く中、スピーカーから笑い声が聞こえてくる。 「クククッ。アハハハ。どう? 僕から不正解者へのプレゼント。一思いに死なせてあげようっていう僕からの思いやりだよ。思いやりだから重いヤリ。シャレているだろう?」  おかしくてたまらないという風に、スピーカーからは絶え間なく笑い声が流れ続ける。  こんなこと悪夢だと思いたかった。  本当はまだ布団の中に寝ていて、ただの夢を見ている。  友名はそう思いたかった。  だが、そう思うには、あまりにも全てがリアル過ぎた。 「さあ、次の回答者は誰かなー?」
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