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『あなたは千円を持って、商店街にいます。ケーキ屋で一個二百円のケーキを二個買いました。次に八百屋で八十円のにんじんを三本買いました。そして、文具屋に行こうとして転び、百二十円を落としました。探しても見つからなかったので、そのまま文具屋に行き、五十円の消しゴムを一個買いました。さて、今日は何日でしょう?』
解答者はつい問題の中に答えがあると思い込み、問題文から答えを探そうとする。
だが、聞いているのは解答者のことやリアルの状態のことなので、いくら問題文を捻っても回答は出ない。
この形式のクイズに一度でも当たっていれば、思い込みによる不正解の可能性が、グンと減らせるのである。
ただ、今回のクイズでは、『その日は』が使われている。『今日は』ではない。
ということは、これは解答者のことを答えさせるひっかけ問題ではないということだ。
他にもクイズを解くコツはたくさんあり、クイズは知れば知る程、有利となる。
友名はクイズが好きで、それをよく理解していた。
そして、友名はそれを問川に教えたことがあった。
小学生の頃、友名と問川は、クイズの出し合いをするほど仲が良かった。
自分たちでクイズを作って、解き合うこともあった。
それだけの仲だったからこそ、友名は声だけですぐに問川だと分かったのだ。
「誰も答えないの? 困ったなぁ」
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