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 身体を何度も揺すられ、友名翔は目を覚ました。 「友名くん。友名くん。起きて」 「……え?」  浮上した意識に、いるはずのない声が聞こえてきて、友名はガバリと身体を起こした。 「何で長谷川さんが……? って何でこんなところに?」  起きて一番に目に入ったのは、友名と同じクラスの長谷川だった。  肩までの三つ編みがとても似合っており、その優等生然とした姿を裏切ることなく、クラスの委員長をしている。  その長谷川が何故、目の前に? と考える暇なく、友名は周りの状況に驚いた。  友名がいるのは、友名が通っている学校の教室だった。 「え? 何で?」  友名が覚えている最後の記憶は、自分の家で自分の布団に入り、明日のことを心配しながら寝たことだった。  なのに、今は黒の学生服を着て、教室の中で自分の席に座っている。  周りを見回せば、クラスメイト全員が席に着いていた。  友名のように戸惑っている者、机に突っ伏して寝ている者とそれぞれだったが、クラスメイト全員が揃っていた。 「何だこれ……」  教室の中は暗い。  見慣れた机に見慣れた教室、のはずだったが、闇の中に沈む教室は、全く違う別の顔を見ているようで、友名の不安を煽った。  友名が戸惑っている間に、長谷川は前の席へと移って、寝ているクラスメイトを起こしている。
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