3人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうだ」
「俺たちは関係ない」
「巻き込まないで」
クラスメイトたちの視線が、三人を責めるように刺す。
迷惑だと視線で語っていた。
「ダメダメダメ。残念だけど、誰も出さないよ」
スピーカーからの声に、皆の視線が一斉にスピーカーへ移る。
信じられないものでも見るかのように、スピーカーを見上げた。
「何でよ! いじめていたのはこの三人だけじゃない!」
「俺たちは何もしていないだろう!」
皆は声を荒げてスピーカーに訴えた。
関係ないはずだと思っているクラスメイトたちには、出してもらえないということが理解出来なかった。
「僕にとっては同罪だよ。いじめられていたのを知っていたのに僕を無視して、まるでいない人間かのように扱ったんだから」
問川の言葉に、皆は口ごもる。
事実だったから。
いじめは皆の前で行われていた。
巻き込まれたくなくて、誰もが『そこには誰もいない』『誰も酷いことはされていない』と自分の視界から存在を消していた。
問川に誰も反論が出来ず、教室に沈黙が落ちる。
最初のコメントを投稿しよう!