『カレンダーに秘めた想い』企画

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 私たちが出会ったのは、おそらく五年ほど前で、でもその五年も私にとってはたったの二、三年のように過ぎていった。  気が合って、優しくて、でもどこか儚げで。彼はいつも他人とは一線を引くような人だった。出会った当初の私は、興味半分でその一線を越えることに躍起になっていた。  閉ざされると、押し入りたくなる。  隠されると、知りたくなる。  そんなお転婆な性格も手伝って、穏和な彼を私は少し、いやかなり困惑させた。  彼は元々おおらかな人で、私が彼の中に踏み込むことに対しては特段嫌がったりはしなかった。その代わり躱すのは上手かった。  私たちが付き合い始めたのは約二年前で、私はもうずっと前から彼のことが好きだった。彼もそれなりに好意は示してくれていた。でも彼はなかなか私のことを受け入れてはくれなかった。  その理由というのも、些か難ありだった。  彼がずっと人との深い繋がりを避ける訳は、そこにあった。  いつか彼が困ったように私を見た。諦めたようなその表情は、今にも崩れてしまうのではないかと思わせるような脆弱な心をもって私に彼の闇を見せた。
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