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-999年9月15日・薄曇り-
「すげぇやリーダー。一週間経たないのに、もう200人以上もの仲間が集まった」
「そうだな」
脱獄、そして反乱活動開始から5日が過ぎた。
このことは既に、王国軍まで知れているだろう。
恐らく、あの時の若い軍人―クラウザーという男にも…。
海岸線に近い平原に、我々はいる。
見晴らしが良く、いつどこに敵が見えてもすぐに先手を取れるよう構えてはいる。
しかし、相手側から見えやすい場所にいるのも、また事実。
長居をしては、明らかに我々は不利だ。
場所を変えなければとそう思い、考えた。
海岸…海、……。
「海賊を味方につけよう」
「え、リーダー?海賊って…」
海のスペシャリスト、海賊の力を借りれば少なからず今よりは有利な状態で帝都を崩せるはずだ。
何より、行動範囲が広がる。
「当てがある。知り合いに海賊の船団を率いている者がいるんだ」
「本当か?」
「あぁ」
―とある海賊船団を率いる、グスタフという若者。
投獄される以前より面識のあった者だ。
19歳という若さで100人を超える海賊団のリーダーを務めているということには正直驚いたが、話してみるとそれに相応しい度量の持ち主ということは容易に感じ取れた。
なんとかして彼とコンタクトを取り、反乱軍の味方につけたいものだ。
さて…何をどうすればよいものか………。
続
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