猫の手借りました

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黒猫は迷いなくお隣へと早足で進む。 私はハッとなって足を止めた。 お隣さんとは実は一度も顔を合わせたことがない。 こんなこと、今の東京では別に珍しくもなんともないことだ。 毎日深夜と呼べる時間に帰ってくるお隣さん。 そして早朝と言える時間にシャワーを浴び、ものの15分ほどで慌ただしく家を出ていく。 土日は休みらしい。 私が知っているお隣さん情報はこれだけだ。
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