猫の手借りました

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一年以上顔を合わせることなく、さりとてなんの問題もなく今まで暮らしてきた。 お互いに。 それを今更顔を合わせるというのはおおいに気まずいものがあった。 しかも男の人だ。 これは気まずい以外の何物でもない。 黒猫ちゃんはかわいいけれど、ここはとっとと引っ込むのが穏便である。 だがしかし。 私の反応と判断は遅かった。 「あれ? あ、もしかしてお隣さんの?」 向うが話しかけてきているのは紛れもなく私であろう。 もしかしてもなにもこの状況はお隣さん以外の何物でもないではないか。 こいつバカなのか。
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