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家に帰ると、段ボール箱の中に手紙が入っていることに気が付いた。
手紙には、
「どなたか、この猫を飼っていただけますと助かります。」
と書かれていた。
僕は、
(捨てられたのか…)
と思って、子猫がかわいそうだなぁと感じた。
まず僕は猫をお風呂場に連れて行って、ぬるま湯できれいに体を洗って、タオルで拭いてあげた。
そして、冷蔵庫にあったミルクを少し温めて、お皿に入れて猫に飲ませてあげた。
僕はあぐらをかいて座って、じっと猫を見ていると、猫は夢中でおいしそうにミルクを飲みほした。
(お腹すいていたみたいだな…)
飲み終わると猫は僕の膝の上に乗って、僕の頬をペロペロと舐めはじめた。
僕は、くすぐったくて、つい声を出して笑ってしまった。
猫は僕のことを信用してくれたのか、僕のそばを離れなかった。
僕が台所に行って自分の食事の準備をはじめると、僕の足元でずっと上を見上げていた。
僕が居間のコタツ台に食事を運んで食べ始めると、僕の膝の上に載ってきて、食事をする僕の顔をじっと見ていた。
「おいおい、食べれないよ!
お前も食べたいのか?」
僕が、スーパーで買った白身魚の天ぷらを手で小さくちぎって、手のひらの上に載せて猫の口元に差し出すと、猫はペロリと食べてしまった。
(そうか、この猫は、もう食事ができるんだ!)
僕は、自分のおかずを少しずつ手で小さくちぎって、猫に食べさせてあげた。
猫は、おいしそうに食べていた。
僕は猫がかわいくて、久しぶりに癒されたように感じて、アパートの1人住まいの淋しさが少し和らいだように感じた。
僕は、猫に名前を付けてあげたいと思い、猫に向かって、
「お前は、メスかな?
冬毛で、もこもこ暖かそうだから、『モコ』でどうかな?」
と言うと、僕の質問に答えるかのように、猫がタイミングよく、
「ミャー」
と鳴いたので、僕は、
「そうかそうか、『モコ』でいいんだね!」
と言って、猫の頭を撫でてあげた。
僕には、猫が喜んでいるように見えた。
僕は、お風呂に入ってビールを飲んでから、そろそろ寝ようと思ってベットの布団に潜り込んだ。
すると、猫も僕のベットの布団の中に潜り込んできたので、そのまま一緒に寝ることにした。
僕は、明日土曜日と明後日日曜日は会社が休みだし、明日は猫の餌でも買いに行こうと思いながら、いつの間にか眠ってしまった。
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