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「よし!全部乗せたよ」
翌朝、タロウたちは浜辺に置かれた木船に、
野菜が入った箱を乗せていた。
「みんなありがと。それじゃ村に売りに行こう」
雷知が言う。
船にみんなで乗る。
「水音、お願い」
「わかった」
雷知に頼まれた水音が返事をする。
水を操る能力が水音が、水面に手をかざして
念じる。
「ミズクジラ、出ておいで」
そう言うと、海の水がクジラの形になり、
クジラの背に船が乗り、そのままぐんぐん進む。
ーーーーー
「ついたー!」
村の砂浜に乗り上げた船の先頭に立って、
火花が両手をあげる。
「火花、あなたも荷物を下ろすの手伝いなさい」
雷知が注意する。
ーーーーー
「よし!こんな感じかな」
屋台に野菜を並べたタロウが額の汗を拭う。
「おや?鬼島さんたちじゃない」
そう声を掛けてきたのは、村に住むお婆さんだった。
「あら、いつもどうも」
雷知があいさつをする。
「鬼島さんの作る野菜はとてもおいしいから
今日はどんなのがあるの?」
「きゅうりやトマトがおすすめですよ!」
「あらそう、じゃあそれをいただこうかしら」
お婆さんが買い物をしようとしたとき、
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