第1話 どんぶらこ、どんぶらこ

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「オラ、どけよ!!」 遠くの方で荒々しい声が聞こえてきた。 タロウたちが声の方を見ると、ガラの悪い四人組の男たちが歩いていた。 「なんだあれ?」 タロウの疑問にお婆さんが答えた。 「隣村の人らしくて、最近こっちの村で傍若無人に振る舞っててみんな困ってるのよ」 男たちはタロウたちに気づき屋台に近づいてきた。 「なんだコレ?野菜売り?」 タロウは嫌な予感を感じたが、風里が話しかける。 「いらっしゃいませ」 男たちの中の一人が、風里や火花たちを見る。 「おねえさんたちかわいいね。俺たちと向こうで 遊ぼうぜ」 男が風里たちをナンパする。 「野菜を売らなきゃいけないのでごめんなさい」 風里が断る。 「いいじゃん、そんなの」 男が風里の腕を掴んで歩き出そうとする。 「!?やめてください」 風里が抵抗する。 他の男たちはニヤニヤ笑ってる。 「離せよ!!」 タロウが男の手首を掴み力を込める。 男がタロウを睨む。 「ガキが邪魔すんなっ!!」 男はタロウの腹を蹴る。 「ぐっ!?」 タロウは吹っ飛ぶ。 「タロウちゃん!?」「タロくん!?」 と風里と火花が叫ぶ。
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