第1話 どんぶらこ、どんぶらこ

3/16
前へ
/37ページ
次へ
「ったく、風里ねーさんまで」 タロウ布団から体を起こす。 すると、寝室のふすまが開き、2才年下の "鬼島水音"(きじま みずね)が顔を出す。 「お兄ちゃんおはよ!ごはんできたよ」 「おはよ、すぐ行く」 タロウは火花と風里の肩を揺する。 「ふたりともー、ごはんできたってー!」 「うぅん?・・・・タロくん?」 火花がむにゃむにゃと目を開ける。 「うーーん、タロちゃんおはよう」 風里が目をこすりながら起き上がる。 「風里ねーさん、浴衣が乱れてるよ」 タロウは寝ぼけている風里の浴衣を直す。 「二人とも、顔洗ってご飯食べるよ」 ーーーーー 「いただきまーす!」 タロウは手を合わせて食事の挨拶をする。 「いただきます」 火花たちもそれに続く。 「よく噛んでね」 火花たちの母親である"鬼島雷知"(きじま らいち) がそう言う。 「お兄ちゃん!この卵焼きは水音が作ったんだよ! 食べてみて!」 「わかった。モグモグ、うん!うまい!」 「ほんと!よかった!!」 水音がニコッと笑う。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加