第5話 竜宮城1泊2日 後編

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第5話 竜宮城1泊2日 後編

「むぐぅ・・・・うぅ・・・」 朝、タロウは息苦しさを感じながら目覚める。 それもそのはず。 タロウは、火花と風里に左右から強く抱き締められていたから。 「おねーちゃん?また寝ぼけて・・・うむぅ!」 まだ夢の中の火花が、体をモゾモゾと動かし、 タロウの顔に胸を押し付け、足を絡めてくる。 「う、動けない・・・どうしよう。っ!」 タロウがどうするか考えていると、 部屋の扉が開き、優子がやって来る。 「みなさん、朝食がもうすぐ出来ますので、 起きてください」 「うぅん?」 その言葉でみんなが目覚める。 「助かった・・・・」 タロウはホッとした。 ーーーーーー 「お兄ちゃん、ねこ見に行こ」 朝食を食べ終え、庭でぼんやりとしていると、 水音が話しかけてきた。 「ねこ?」 「うん。きのう見たねこたちをまた見たい」 「優子さんがエサをやる時間になったら 集まるんじゃねーの」 「一応野生だから、ごはんは3日に1度なん だって。だから、森の中にちょっと入ってみたい んだ」 「乙姫さんたちには許可取ったの?」 「うん!あんまり奥まで行かなければいいってさ!」
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