第5話 竜宮城1泊2日 後編

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その水の塊が薄く広がり、子猫の方へ伸びていく。 「怖がらなくて大丈夫だよ」 水が子猫の体を掴み、そのまま枝から下ろし、 水音が抱き寄せる。 「よしよし、ガンバったね」 「どうして木の上にいたんだ?」 「聞いてみようか」 「聞く?誰に?」 水音は子猫と目を合わせて、 「にゃにゃにゃ?にゃーにゃー、にゃにゃ!?」 と言い始めた。 すると子猫も、 『にゃー、にゃにゃ、にゃー』 と答えた。 水音がタロウを見て。 「大人のねこに追いかけ回されて、木の上に逃げたら降りれなくなったんだって」 「ちょっと待て、いつの間に猫と喋れるように なったの?」 「喋れてないよ、勘だもん」 「直感!?」 ーーーーー 「この子猫どこに返したらいいんだ?」 「さっきいた子猫たちのところでいいみたいだよ」 『にゃー』 水音が子猫を抱きながら、森の中を歩く。 ーーーーー 「あ、いた」 さっき見た子猫たちを見つける。 「いっといで」 水音が抱いていた子猫を地面に置く。 子猫は水音たちの方を何度か振り返ったあと、 テトテトと他の子猫たちのところへ行く。
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