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子猫たちはお互いの鼻を近づけたあと、
一緒に遊び始めた。
「大丈夫そうだな」
「うん」
「タロくーん!水音ー!帰るよー!」
砂浜の方から火花の声が聞こえてきた。
「水音、行こうか」
「はーい」
二人は手を繋いで砂浜の方へ歩き出した。
『にゃー』
子猫が水音に向かって鳴く。
水音は歩きながら顔だけを後ろに向け、
「にゃー」
と返事をした。
ーーーーー
「二人が来たよー!」
すでに船に乗っていた火花が、同じく乗っていた
風里と雷知に言う。
「おまたせ」
「荷物はもう乗せてあるから」
タロウたちも船に乗る。
「それじゃ乙ちゃんまたね」
「うん、またいつでもおいで」
見送りに来た乙姫が言う。
「ああ、あとこれ」
そう言って乙姫が、紐で縛られた箱を雷知に渡す。
「ん?なにこれ?」
「玉手箱。帰ったら開けてみて」
「なになに!美味しいもの?」
火花が聞く。
「ふふふ、帰ってからのお楽しみ♪」
「ママ、準備できたよ」
風里が言う。
「分かった。それじゃみんな、挨拶しましょ」
タロウたちが乙姫の方を見て、
「「「「乙姫さん、優子さん、ありがとうございました。」」」」
タロウたちが声を合わせてお礼を言う。
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