第1話 どんぶらこ、どんぶらこ

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「とりゃっ!!」 釣り竿を振り、餌の付いた釣り針が海に落ちる。 「晩ごはんの分は釣りたいな」 『1時間後』 「釣れねぇー・・・・」 タロウは砂浜にうつ伏せになり、ボーッとしてる。 そこに、 「タロちゃん、どうしたの?」 声のする方を見ると、白いビキニを着た風里と、 ピンク色のワンピースを着た水音がいた。 「風里ねーさん。なかなか魚が釣れなくてさ」 「そーなんだ。よし!おねーさんに任せなさい!」 そう言うと風里は、手のひらを海に向けて気合を 入れる。すると、 『ヒュー、ヒュルルー』 どこからともなく風が吹き、風里の手のひらに集まる。 鬼である風里たちには不思議な力があり、 火花は炎、風里が風、水音が水、雷知が雷を操る ことができる。 「ほい!」 手のひらに集めた風を海に飛ばすと、 海が渦を巻き、その渦に弾かれた魚が、 タロウたちの方へ飛んでくる。 「大漁だね」 「風里ねーさん相変わらずスゴすぎ」 「よーし、もっとスゴいの見せてあげる」
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