どこにでも奴は

7/7
前へ
/7ページ
次へ
あの戦いから二年がたった。 俺は、まだあの部屋で暮らしている。 「……来たな」 背後の気配に、俺は隣のヤクザからくすねた拳銃を向ける。 「ば、バカな!我々の速度に反応するだと!?」 声が聞こえた気がするが、気にすることはない。 俺はただ、引き金を引くだけだ。 俺はもう、奴らに負けることはない。 奴らがどれだけ現れようと、俺は簡単に滅ぼすことが出来る。 「ほら、さっさと歩け」 「はい。すいません」 「いい加減さぁ、鉄砲でゴキブリ殺すのやめなさいよ。銃刀法違反何回目よ」 勝利の余韻に浸りながら、俺はパトカーに乗り込む。 通算5回目のパトカーは、俺の心のように澄み渡った空の下を走っていた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加