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実は二宮先輩しか作れないのがあったり、ナオ先輩はショートのジンベースが(飲みきる時間が短い飲み物)が得意とか。
なんか色々知った。
父親が生きてたら、作ってやりたかったな・・・。
まあそれはそうと。休みの日にこの人は何してますの?
にっこり笑って俺の酒を注文する。
〝俺の〟であって、先輩は烏龍茶・・・
今三杯目に突入してるがまたもや、解らんカクテル名。
「タロちゃん、今度はマンハッタンね!」
目を輝かせて、注文する先輩はウキウキでござる。
そして初心者の俺はニノノートたるレシピ本(著者二宮先輩)を見ながらマンハッタンを探して酒を用意。作る→出来る→飲む。
なんだこれ?
二宮先輩曰く・・・
「今日は、タロちゃん潰してお持ち帰りする!」
だそうだけど・・・ノリとはいえ男を男が持ち帰っても面白くもなんとも無い。
良く分からないが、それで楽しんでるみたいだからまぁ、いっか。
それから、俺は店内の忙しさと無謀なマスターのループを繰り返してると、いつも固定席に居るサワさんが立ち上がった。
「澤帰るのー?」
「おー、ニノは持ち帰りするみたいだから、今日はもう帰るわ・・・タロオアイソな」
そう言われて伝票を計算すると、スッとサワさんの前に出す。
「タロ、酔って金額間違えると思ったら・・・超優秀過ぎて俺切ない・・・」
「・・・間違える前提っすか!?」
泣き真似をする二宮先輩に聞けばケラケラと笑い出す。
「だってー酔ってくんないしー!つまんねー」
と、言われましてもねぇ・・・。結局サワさんも帰り、ボックスも空いて、閉店1時間前には人が居なくなった。
「ニノが休みだとコレがあるからなー」
ナオさんがそう言いながら、飲みかけのグラス片手に 二宮先輩の横に、そして俺はまだ、作って飲みきってないスクリュードライバーを口に入れる。
「おいおい、俺も客だよ?
タロ潰しに必死なんだから・・・酔わないけど」
全く酔わない訳ではないんだけど、仕事と思ってるから、自宅に帰ってどっと来るんだ。それを知らないから、先輩もナオさんもそう言うだけで・・・。
「必死か」
そう笑いながら突っ込むナオさんに、まぁなと返してるが、何に必死なのか全くもってわからない。
俺を潰すのに必死なのか?
何のために?
わかる訳はなかった。
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