pleasure

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 そんな必死な二宮先輩と、のほほんなナオさんが帰っていいよと帰宅命令が出た。  少し早かったけど会計計算を終わらせて、二宮先輩に提出し掃除を終わらせると帰宅する。 「では、お疲れ様でした」  そう告げて店を出たら、二宮先輩も同じ方向だからと一緒に帰る事となった。  外へと出たら、冷たい風が首元を冷して思わず肩を竦めた。 「うーっ、寒いっすね」 「あー酒入ってるからだね…ほら」  そう言って俺の視界が1度何かで遮られると一瞬で首周りが暖かくなった。 (マフラー?)  確かに二宮先輩は、青と水色と白と黒のストライプのマフラーをしてたけど、と俺がその温もりのある物を見れば、やはりマフラーで。 「先輩?」 「あー俺そこまで寒くないから。 それに大事な従業員に風邪ひかれたくないからねー」  なんて呑気に言ってくるけど、なんか申し訳なくて外そうとしたら、洗濯して返してと言われて、ハハッと笑った。 「洗濯位しますけど・・・菌は持ってませんよ?」 「あはは、違う違う!タロちゃんに洗ってもらいたいだけだから!俺のわがまま!」  何ともはや、わがままでマフラーの洗濯とは。良く分からんが了承しておいた。  いきなり本筋に入ったから、この先輩については軽くしか触れてなかったけど、大学時代の先輩の知名度は恐らく1番だと思う。  大体は悪行か善行かで名は馳せるが、この人はイケメン、頭脳明晰、スーパーマン・・・どこまで本当の噂か解らない程の知名度でナゾの多い人でもあった。  一年前に聞いたのは、モデルの仕事をやったら、人気がでてありとあらゆる女から告られた・・・だったはず。 「先輩って、休みの日にんな時間まで遊んでて彼女に怒られないんですか?」  何の気なしに聴いたら、目を大きく開いてこっちを見るから、何ですか?と返せば大笑いされた。 理不尽っ!!!! 「あのさぁー」  笑いながら二宮先輩が俺の肩を支えに未だに収まらない腹筋の収縮を堪えながら目に涙を溜めた。 「俺は君を落とそうとしてんだけど?二股掛けれるほど器用でもないしねー」 は!? え!?  この人、なんか言いましたよ!?  俺があまりに驚いてるのを見て先輩は苦笑い。いやいやいやいや、苦笑いしたいのこっちだし!!! 「あははっ、面白いねータロちゃん!」  そう笑われて、やっと気付いた・・・ 「からかったんですかっ!?ひどっ!」  俺は盛大に溜息を吐き出してからかってるのだと解ると一気に脱力した。
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