A belief

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 家に帰ると明日の用意を終わらせて、ベットに倒れる様にダイブする。  そして着替えもせずに鞄から通帳を取り出して最終ページを捲り6桁まで行った通帳にニンマリとしてしまう。  どこの金貸し?とか言われそうなくらいヤバイ顔をしてる自覚はあるが、自宅なので問題は無い。  通帳をしっかりとしまって俺はそのまま眠りに付いた。  翌朝からは朝も仕事だ。  普通に通勤していると、会社の中が・・・というか俺のいる部署が騒がしくて、慌てて机へ行けばビッ・・・いやいや 高橋さんの机の上が、荒らされていて酷い事になっていた。 「酷いつ!小鳥遊さんですかっ!?」  いやいや、俺今来たばかりだよ?いきなり俺犯人扱い? 「いや、どう見ても今来たばかりだろ・・・」  横山のフォローに感謝する。 「取り敢えず片付けよ、仕事出来ないでしょ?」  机の上は、既に乾いているがコーヒーが掛けられ、パソコンのキーボードに至っては持ちあげたらコーヒーが流れ出てくる。 「・・・バケツ持ってくる」  そう言ったら、高橋さんが私が取りに行きますとそそくさと居なくなり、周りの人間が深い溜息を吐いた。 「注目されたいからって流石にここまでやられちゃ、部長にいうしかないかあ。」  とリーダーが漏らす。  そう高橋さん自演だった事がある。前に俺が早出の日で、朝は伝票やら書類やらをあちこちの部署に運ばなくてはならなくて、効率よく回っても30分は掛かる。  1週間に二回しかなくて、あまり当番も回ってこないけど、この当番になると1時間早出になる。  月曜と木曜日が大体なんだが、休みの関係で曜日は前後すんだよね。  その早出当番が俺の日に高橋さんが自分の机にマジックで何かを書いている姿が見えた。  俺は、書類の運搬してたから横目で見ただけだけど、見間違う事はまず無い殆どしっかりと見た。 だって、早出俺じゃなかったかって・・・考えるでしょ普通。  でも俺の日は間違いなかったから  まぁ取り敢えずうちの部署は、そういう作業も多少なりと有るから、早く来て仕事を終わらせてるんだな的な認識だったけど、皆が出勤時に知らない顔で入ってきて、ハンドバックを落とした・・・  まぁ...音が響けば音源を見るよね。  そして顔面蒼白な高橋さん。  自演の完成だった。  机に書かれたのは 『可愛いからって図に乗るな』  自分で書いたのかと思うと、ゲンナリしたが周りは知らないから、慰めたり上に報告したりでバタバタになった。
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