A belief

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 まあその時に俺が一番に来てたから疑われたけど、俺の字は自分で言うのもなんだが・・・書道のお陰で結構綺麗なんだよ。  机に書かれたのは癖がある。  でも高橋さんを取り囲んでる女性はそうは行かなくて・・・俺責められて挙句上司に引っ捕えられた。  ので、説明!  ここの会社、社員の入館管理はちゃんとしてるから入った時間を見てくれて俺の言ってる事の辻褄があって無罪!!!!  ただ相手が俺を認識した訳でもないし、俺が遠目に見ただけでは物証なく犯人は解らないと言うことで俺は無罪放免だったんだけど、高橋さんはそうはいかないんだろう。  まあ問屋さんは簡単に卸してくれないしねっ!  そして問屋さんは俺にも卸してはくれず呼び出し。  前回見てても流石に今回は違うって解るでしょーに。一通り話を聞かれて、終わった。 「災難だなー」  横山が、昼飯行くぞと呼びに来て椅子に座る。前の2人掛けには、佐々木と・・・ 「何でいるんすか?」  イケメン滅びろ!!!!!  来ちゃったとか言いながら、俺に弁当を差し出し開けば中は随分と豪華。 「稲荷寿司とか、なんか行事っすか?」  聞いてみれば首を左右に降った。 「おいなりさん、俺好きなんだ」  あー恋する乙女ですかアンタ・・・自分の好きなものを食べて欲しいとかさ・・・ いや、嫌いじゃないよ?でも毎回弁当は先輩に負担がかかるのは確実で・・・ 「先輩、有難いんですけどこんなしてもらっても俺何も返せませんよ?」  気持ちに返事をして上げることも、出来ない。 「解ってるから、気にしないでくれると嬉しい。」  そこまで言われたら断れなくて、頂きますと箸を割った。  確実にこの人は俺に惚れてるよな・・・。解らないって言ってたけど、普通気になるだけでここまでしない。  なら俺は冷たくすればいいのか?見込みはないと、はっきり口に出すべきではないのか?  食べながらそんな事を考えてた時に、やはり来たか。  高橋さんが、先日と同じように顔を覗かせた。 「あ、先日のイケメンさん、こんにちは」  また、後から椅子を引っ張ってきて俺の横に座る。イケメン二宮先輩の付属品みたいになって来てると思ってたら、俺の顔を覗き込みいきなり眉尻を下げた。  何事っ!? 「あのー小鳥遊さん私を嫌ってるんですか?」  口の中の御稲荷さんが飛んだ。 見事な放物線だった。
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