レッスン1

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カタカタとアンバランスな椅子が鳴る 近くの電車の音がダンダン、ダンダンと聴こえる 飛行機の飛ぶ音がフォーーーン・・と聴こえる カラスの鳴く声がハァハァ、ハァハァと聴こえる 部屋の中の時計の音がチッチッチと聴こえる 隣の洗濯機がピチャ、ピチャと聴こえる 気にもしていなかった全ての音が聴こえてくる 目が見えないせいで 耳が研ぎ澄まされていく 次第に自分の心臓のドッドッドッという鼓動さえ 荒くハァ、ハァ、ハァと鳴る呼吸さえ 冷たくふるふると震えてる肌さえ あそこがぴちゃぴちゃと濡れている音さえ まるで外に漏れ出ているかのように思える 彼は私が羽織っていたコートを ハラリと脱がせ、ハンガーにかけた 私のコートさえも、彼は私の分身のように きっと大切にかけてくれている スッという滑るような生地の音と かちゃりと静かにかけるハンガーの音がした。 そこに取り残された ノースリーブのワンピース姿の私 「君は本当に綺麗だ」 「コートの下はこんな大胆なカッコをして」 「たまらないよ、、いい、、」 「美しく、柔らかな、吸い付く肌」 「最高だ、、」 そう言いながら肩からさらけ出している腕の肌を ゆっくりと辿るように上から指でなぞっていく
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