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調教のための小さな部屋
玄関から彼は私を中に誘導する
リビングの真ん中には小さな丸椅子が置いてある
ぽつりと
「さぁ、ここに座ってください」
用意された丸椅子は、脚がそろっていないのか
座ってみるとカタカタと音をたてた
リビングに流れる静かな無の世界
そこに2人だけの息づかいだけが漂っている
座っている私の周りを
彼はゆっくり円を描きながら歩いた
ゆっくり私をみつめて
決して目を合わせようとしない
私の胸の鼓動が少しずつ
少しずつ高くなっていく
我慢ができなくなり
両手をハエのようにすり合わせてしまう
「な、なにを今日、今日は、、するのですか、、?」
すこし震える声
恐れにもにた、そして期待にも似た、まったく逆の感情が震えている
「そうですね、、、」
彼はゆっくりと、確かめるように、噛みしめるように言葉を選ぶ
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