レッスン1

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「んー!!・・」 声にならない声が漏れていく まるで溢れ出そうな雨に耐えられない 閉ざされていた決壊寸前のダムに 小さな隙間をあけたかのように 私の欲望という欲望が 跳ぶように流れ出てきた 「んぁ!んんん!!…」 頭が真っ白になる 私は上を向いて見えない天井を仰ぐと 痙攣しながらブルブルと果ててしまった 「んん!!ぁあ!!」 ガクリと力が抜けた私を 彼はとっさに支え 抱きしめてくれる 柔らかな優しい彼の腕 「これくらいでイクなんて、、」 「まだ早いですよ?」 冷静な彼の声 そして男の匂い 不快ではない男の匂いが 私の心を冷静に安心させていく きっと彼は下から私の果てる姿を仰ぎ観て 私を軽蔑しただろう こんなあられもない姿をみられて 嫌いにならないはずがない 私はあまりにも汚い自らの醜さと 人間としての恥ずかしさを噛み締めながら 息を懸命に整えた 「はぁ、、はぁ、はぁ、、」 彼の腕と胸と肩に寄りかかっている私 今の私は生まれてきて一番幸せだと 心が言っている ダメだとわかっていても この幸せを感じてしまえば もう離れることなど出来ない 麻薬よりも深く私の心は彼に依存してしまっている 彼のその魅力に私は完全に溺れているのだ こんな醜いわたしでなければ良かったのに そう思うと涙と鼻水が出てきた ぐしゅぐしゅと泣く私は汚れてはダメだと思い、手を頭の後のネクタイにかけて外そうとした
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